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FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)を目指す人にとって、年金の受給は避けて通れない重要なテーマです。
年金受給は、早ければ60歳から、遅らせれば75歳まで繰下げることが可能です。
では、FIREを達成した人にとって、年金をどのタイミングで受け取るのが最も賢い選択なのでしょうか?
本記事では、FIREと年金制度の関係、そして年金受給の最適なタイミングについて、データと戦略を交えて詳しく解説します。
FIREを達成するためには、資産運用や節約により、老後までの生活資金を自力でまかなう準備が必要です。
しかし、FIREを実現した後も、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は生活の支えとなる重要な収入源です。
特に、長寿化が進む現代においては、リタイア後の30年〜40年の生活資金を完全に自分の資産だけで賄うのはリスクが高いため、年金の戦略的な活用はFIRE生活を安定させるために不可欠です。
公的年金には主に次の2種類があります。
年金の種類 | 対象者 | 支給条件 |
---|---|---|
老齢基礎年金 | 自営業、フリーランス、主婦など | 原則として10年以上の加入が必要 |
老齢厚生年金 | 会社員、公務員など | 厚生年金加入期間に応じて支給 |
FIRE層の多くは、会社勤めの経験を持つため、両方の年金を受給するケースが一般的です。
公的年金の受給は、60歳から75歳までの間で選択可能です。
標準的な受給開始年齢は65歳ですが、以下のように早めたり遅らせたりできます。
受給開始年齢 | 減額・増額 | 特徴 |
---|---|---|
60歳 | 約▲30% | 最も早いタイミング。支給額は大きく減る。 |
65歳 | 0% | 標準年齢。特に増減なし。 |
70歳 | 約+42% | 支給額が大きく増える。長寿向けの選択肢。 |
75歳 | 最大+84% | 受給額は大幅アップ。ただし寿命リスクもある。 |
65歳で年金を月10万円もらえる人が、繰上げ・繰下げを選択した場合の月額は以下の通りです。
開始年齢 | 月額支給額 | 増減率 |
---|---|---|
60歳 | 約70,000円 | ▲30% |
65歳 | 100,000円 | 0% |
70歳 | 約142,000円 | +42% |
75歳 | 約184,000円 | +84% |
FIREを達成した人は、年金に頼らず生活できる状態にあります。
そのため、すぐに年金を受け取らずに繰下げ受給を選択することで、将来の受給額を増やす戦略が有効です。
特に次のような人には繰下げ受給が向いています。
一方、早く受給する「繰上げ受給」には以下のようなメリットがあります。
以下のようにライフスタイルや健康状況を基準に、繰上げ・繰下げの選択を検討すると良いでしょう。
状況 | おすすめ受給方法 |
---|---|
FIRE資産が十分にある | 繰下げ受給 |
投資による収入が減ってきている | 通常〜繰上げ受給 |
健康に不安があり、早く現金が必要 | 繰上げ受給 |
長生きの可能性が高い | 繰下げ受給 |
損益分岐点とは、早く年金をもらう場合と遅くもらう場合で、総受給額が逆転する年齢のことです。
例えば、65歳から受給する人と70歳から受給する人では、約81歳前後が損益分岐点となります。
年齢 | 65歳開始の総受給額 | 70歳開始の総受給額 |
---|---|---|
70歳 | 約600万円 | 0円 |
75歳 | 約1,200万円 | 約850万円 |
80歳 | 約1,800万円 | 約1,700万円 |
81歳 | 約1,920万円 | 約1,920万円 |
85歳 | 約2,400万円 | 約2,550万円 |
→ 81歳を超えると繰下げ受給の方が得になる。
FIRE後の生活設計では、この損益分岐点を踏まえた判断が重要になります。
FIRE後は「いつからどれだけ年金がもらえるか?」を想定したうえで、次のように資産の取り崩し計画を立てることが重要です。
FIRE世代では、iDeCoや企業型確定拠出年金(企業型DC)などの運用も並行して行っている人が多いため、それらの年金開始年齢とのバランスも重要です。
年金を受け取り始めると、それが所得とみなされ、住民税・国保保険料・介護保険料などの社会保険料が増える可能性があります。
FIRE生活では所得を抑え、社会保険料を最小化する戦略を取ることが多いため、年金受給開始のタイミングが社会保険料に与える影響も考慮しましょう。
FIREを達成したからといって、必ずしも繰下げ受給が最適とは限りません。
以下のような要素をバランス良く考慮し、自分にとってのベストタイミングを見つけましょう。
年金受給のタイミングは、FIRE後の人生を左右する重大な選択です。
じっくりとシミュレーションを重ねて、後悔のない判断をしていきましょう。